2026年9月、韓国・仁川で開催されたAsia Pacific Poker Tour(APPT)の韓国大会「APPT Korea 2026」。
メインイベントでは、Fukatsu(Hirotaka Fukatsu)さんが782エントリーの頂点に立ちました。
プロモーション会社の代表取締役社長を務め、仕事の合間に海外大会へ参加するFukatsuさん。
優勝につながった場面を振り返りながら、日々の勉強法や、趣味としてポーカーを続ける理由を伺いました。
Fukatsuさんのプロフィール

プロモーション会社の代表取締役社長を務める傍ら、海外のトーナメントへ精力的に参加しているFukatsuさん。
2026年9月に開催された「APPT Korea 2026」では、メインイベントで見事優勝を果たし、優勝賞金約2,500万円を獲得しました。
| プレイヤー名 | Fukatsu |
|---|---|
| 本名 | Hirotaka Fukatsu |
| 仕事 | プロモーション会社の代表取締役社長 |
| 主な実績 | Asian Poker Tour(APT)Taipei 2025 「Turbo – High Roller」優勝 APPT Korea 2026 「APPT Main Event」優勝 |
経営者として多忙な日々を送りながら、なぜ海外のハイレベルなトーナメントで結果を残し続けられるのか。
その裏側には、GTO座学やアプリでの記録を習慣化する「日常の勉強」と、「誰にも求められず、自分の成長を楽しめる」という独自のマインドセットがありました。
優勝を掴んだ2つの勝負ハンドから、仕事の外でポーカーに向き合う思考法まで詳しく伺いました。
APPT Korea 優勝の舞台裏|
勝負を分けた2つの重要ハンド

LightTHREE優勝を決めたときは、どんな気持ちでしたか?
Fukatsuさん今回は現地で一人だったので、優勝後にみんなでお祝いをするような感じではなかったんです。
それもあってなのか、優勝したからといって、気持ちが大きく変わった感覚はあまりありませんでした。
Fukatsuさん優勝時に会場に知人が数人いて一緒に喜んでくれましたし、トロフィーをもらったり、周りの人にお祝いのメッセージをもらったりするのは、うれしかったですね。
優勝につながった二つの場面

引用:SoMuchPoker
LightTHREE特に印象に残っているハンドを教えてください。
Fukatsuさん一つは、残り10人のときにオールインして、ダブルアップできた場面です。
相手とは他のトーナメントでも同卓したことがありました。
Fukatsuさんチップリーダーで、あと一人の敗退でファイナルテーブル(FT)になる状況なら、オープンするハンドの範囲を適切に広げられるプレイヤーだと見ていたんです。
そういう相手への見方も踏まえて、オールインを選びました。
結局強いハンドが出てきてしまったのですが、そこでフリップに勝てたことは大きかったと思います。
LightTHREEもう一つは、どの場面ですか?
Fukatsuさん残り8人のときに、「KQo」で「AA」に勝ったハンドです。
プリフロップではブラフとして3ベットしたのですが、相手はコールにとどめました。
Fukatsuさん結果としてそのハンドに勝ち、チップリーダーになれたことが大きかったです。
その後はチップを多く持っていたので、うまく立ち回れたと思います。
ただ、決め手となるハンドを振り返ると、やはり運が良かった場面になりますね。
ハンドの話に出てくる用語の補足
ダブルアップは、オールインの勝負に勝つなどして、持ちチップがおおむね2倍になること。
オープンは、まだ誰もレイズしていない状況で最初にレイズすることです。
KQoは異なるスートのKとQ、AAはAのポケットペアを表します。
プリフロップは、共通カードが出る前の段階。3ベットは、最初のレイズに対してさらにレイズすることです。
APPT Koreaでの日本勢の成績はこちらの記事にまとめています。

ROOTSから海外へ|
トーナメントを本格的に学び始めた理由
APPT Koreaで優勝したFukatsuさんが、ポーカーを覚えたのは国内のアミューズメント店舗でした。
海外でプレイするようになり、トーナメントの勉強に力を入れるまでの経緯を伺います。
ROOTS SHIBUYAでの出会いから海外へ
LightTHREEポーカーを始めたのは、いつ頃ですか?
Fukatsuさん多分、4年から4年半くらい前だと思います。
知り合いに誘ってもらったROOTS SHIBUYAがきっかけです。
お店ができた頃に連れていってもらい、そこでポーカーを覚えました。
LightTHREE国内の店舗から、海外でもプレイするようになったのはなぜですか?
Fukatsuさんもともと旅行に行く機会があって、マカオなどで少しずつプレイするようになりました。
当時通っていた水道橋のお店には、海外へ行ってキャッシュゲームをする常連さんも多かったんです。
そういう人たちと接するうちに、自分も海外へ行くようになりました。
トーナメントを
本格的に学び始めたきっかけ

「Turbo – High Roller」優勝
LightTHREEトーナメントの勉強に力を入れるようになったのは、いつ頃ですか?
Fukatsuさんここ1年から1年半くらいで、トーナメントをしっかり勉強する方へシフトしました。
僕はプロとしてやっているわけではないので、これで生計を立てる必要もないですし、せっかくならトーナメントを勉強しようと思ったんです。
Fukatsuさん通っていたお店でユーロさんに教えてもらっていて、トーナメントのコーチングを受けるようになったこともきっかけでした。
LightTHREEFukatsuさんにとって、大会へ参加する楽しさはどこにありますか?
Fukatsuさんポーカー自体が楽しいから、というのと、賞金ですね。
今回のように大きな結果につながるかもしれない。
その期待にドキドキしながらプレイするのも、大会へ行く理由の一つです。
コーチングをきっかけに、トーナメントの勉強に力を入れるようになったFukatsuさん。
現在の勉強法と、学習を続けて感じた変化を伺います。
「勉強が自信を支える」
毎日のルーティンとマインド

写真:Asian Poker Tour
配信とトレーナーを毎日の習慣に
LightTHREE普段は、どのような勉強をしていますか?
Fukatsuさん中心は、海外のオンラインのハイローラートーナメントなどの配信を見ることです。
ほぼ毎日見ています。
トレーナーを使った練習も、ルーティンにしています。
LightTHREE勉強を続けられるようになったきっかけはありますか?
Fukatsuさんコーチングを受けたり、周りに勉強している人がいたりして、途中から勉強の仕方が分かってきたんです。
それに慣れてきたことで、最近は勉強すること自体が楽しくなってきました。
LightTHREEコーチングでは、どのようなことを学びましたか?
Fukatsuさんトーナメントのロジックや均衡の理解に加えて、ライブの現場でどうするか、相手のテルをどう読むか、といったことも教わりました。
ユーロさんには、個別でもコーチングを受けていました。
Fukatsuさん最近は自分で勉強するルーティンができてきたので、マンツーマンで教わる機会はあまりありません。
日本にいるときに勉強会へ来てもらって、仲間内で教えてもらうこともあります。
ハンドの記録・振り返りに使う
「Poker MTT Note」
LightTHREE実戦でのハンドの振り返りや記録は、どうされていますか?
Fukatsuさん実戦のハンド記録や振り返りには「Poker MTT Note」というアプリ(開発者:Nexurさん)を使っています。
プリフロップからリバーまでの記録はもちろん、スタック推移やVPIPなどの傾向も確認できるんです。
勉強モードでは仲間とデータを共有できるので、ライブでの練習後にみんなで振り返るときにも役立っています。
「勉強している」という事実が自信になる
LightTHREE勉強が実戦に生きていると感じるのは、どんなところですか?
Fukatsuさん「勉強している」という事実が自信になるんです。
トーナメントで連敗しても、「これはこういうゲームなんだ」と分かるし、ラッキーしたとしても「運が良かったよね」と思える。
メンタル面を根底から支えてくれていることが、一番大きいと思います。
Fukatsuさんもちろん、3ベットするハンドを相手に合わせて調整するなど、均衡の理解をもとに実戦で変えている部分もあります。
全体としては、メンタル面の効果が大きいと感じています。
自分より実績や経験のある相手に、必要以上におびえることもなくなりました。
LightTHREE目の前のハンドに集中するために、意識していることはありますか?
Fukatsuさん特別なポリシーとして掲げているわけではありません。
コーチングでは「1ハンド、1ハンドのEVを上げることを、淡々とやっていくだけです」と教わってきました。
Fukatsuさんライブの大会に出る回数が増えると、負けが続くことにも、逆に運よく勝ち続けることにも慣れてきます。
去年は気持ちの波が大きい部分もありましたが、今年は以前より淡々とプレイできるようになったと感じています。
学習の話に出てくる用語の補足
ハイローラーは、参加費が高額なトーナメント。トレーナーは、さまざまな局面での判断を練習する学習ツールです。
EV(期待値)は、同じ条件で同じ判断を繰り返したときに平均して得られる結果を表します。
均衡は、ほかのプレイヤーの戦略を固定したとき、どのプレイヤーも自分だけ戦略を変えて期待値を高められない戦略の組み合わせ。
テルは、相手の動作や反応などから読み取れる手がかりです。
教える立場ではなく
「一人のプレイヤー」であり続ける理由
LightTHREE優勝を経て、ご自身がコーチングをすることは考えていますか?
Fukatsuさん現状は考えていません。
均衡やその背景を説明することと、専業のプレイヤーが経験していることを伝えるのは違うと感じています。
Fukatsuさん一つ一つのハンドとの向き合い方やメンタルの持ち方、経験してきたダウンスイングには重みがあると思うんです。
コーチングは、そうした実感まで伝えられる人がする方がいいのかなと、個人的には思っています。
僕には、その部分までは伝えられないと思うので。
※ダウンスイングは、負けが続き、成績が落ち込む時期を指します。
ビジネスとポーカー|
仕事の外で「成長を楽しむ」思考法

LightTHREE普段の仕事と、ポーカーとの関わり方を教えてください。
Fukatsuさん普段は仕事が忙しくて、その合間に海外へ行く感じです。
仕事以外で、誰にも求められずに成長を実感できる趣味って、あまりないと思うんです。
僕は、たまたまタイミング的にポーカーにはまりました。
LightTHREE誰かに求められるためではなく、自分自身の楽しみとして続けているんですね。
Fukatsuさんゴルフが好きな人も、別にプロになりたいわけではなくても、スコアを上げることが楽しいと思うんです。
昨日の自分より明日の自分が伸びていることが楽しい。
そういう感覚に近いんじゃないかなと思います。
Fukatsuさん筋トレも近いかもしれませんね。
誰かに求められているわけではないけれど、自分の中で目標を設定して取り組むところは似ていると思います。
優勝の先に見据える
ポーカーとの向き合い方

引用:SoMuchPoker
仲間と学ぶ時間を、これからも
LightTHREE優勝を経て、これからやってみたいことはありますか?
Fukatsuさん今のところ、向き合い方が大きく変わったわけではないです。
また長く負ける時期もあるでしょうし、大きな結果が出ることもあると思います。
今までと同じように、出られる大会へ出ながら続けていけたらいいですね。
Fukatsuさん勉強自体が楽しくなってきたので、仲のいい人たちと集まって勉強できる機会が増えるといいな、と思っています。
これから海外大会へ参加する人へ
LightTHREEこれから海外大会へ行ってみたい方に、伝えたいことはありますか?
Fukatsuさん余裕のある資金で参加することは大事だと思います。
勉強していても、長く負けが続くことはあります。
僕自身にもそういう経験があるので。
Fukatsuさん僕はもともと海外旅行をしていたので、海外へ行くこと自体への抵抗はあまりありませんでした。
慣れていない方は、経験のある人から情報を聞くといいと思います。
周りの人が遠征していたり、優勝していたりすることに影響されすぎず、自分のペースを大切にしてほしいですね。
Fukatsuさんのポーカー観
優勝後も、出られる大会に参加し、仲間と勉強を続けたいと話すFukatsuさん。
大きな結果を残した後も、ポーカーとの向き合い方は変わっていません。
「明日の自分が伸びていることが楽しい」というシンプルな想いは、これから海外に挑戦するプレイヤーにとっても大きなヒントになりそうです。
APPT Korea 2026で圧倒的な成果を出した日本人プレイヤーは、Fukatsuさんだけではありません。
同大会でハイローラー3冠を達成したKenji Araiさんの思考法に迫ったインタビュー記事も、ぜひチェックしてみてください。



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