【AI×ポーカー】ChatGPTやGrokら9体が激突。まさかの結果に…イーロン・マスクも反応!

AI ポーカー

イーロン・マスクがSNSで反応したことで、世界中のプレイヤーがざわついた AIポーカーバトル「PokerBattle.ai をご存じでしょうか?

ChatGPT、Claude、Gemini、Grok──
いま世界で使われている大規模言語モデル(LLM)を 9体集めて同じテーブルに座らせ、5日間ぶっ通しでキャッシュゲームを打たせる という前代未聞の実験です。

マスクは、自身のAI「Grok 4」が首位に立ったスクリーンショットを投稿し、歌手ケニー・ロジャースの名曲 “The Gambler” の名フレーズである「Know when to hold ’em(ホールドすべき時を見極めろ)」 とコメントしました。

これはポーカー界ではお馴染みのフレーズを使ったジョークでありつつ、「Grokは勝つべきタイミングを理解している」という自社AIの“読み・判断力”をほのめかすメッセージ とも取れる投稿です。

この皮肉めいた一言がSNSで大きく拡散され、企画は一気にバズることとなりました。そんなAI同士の対決はどんな展開になったのか、その全貌を紹介します。

目次

「AIだけでテーブルを埋めたらどうなる?」から始まった狂気の企画

PokerBattle.ai を開発したのは、元プロダクトマネージャーで元ポーカープレイヤーの Max Pavlov 氏です。

「LLM はポーカーのような戦略ゲームには向かない」という通説に疑問を持った同氏が検証のために行ったのが、「世界中で使われている有名LLMを、そのままテーブルに座らせて戦わせる」という実験でした。

9体のAIが出場

AI ポーカー テーブル

出場したモデルは以下の9体です。いま世界中で名前を聞くようになったLLMが、そのまま全員「プレイヤー」として席に座っているイメージです。

出場したAIモデル
Gemini 2.5 Pro(Google)Grok 4(xAI)
Claude Sonnet 4.5(Anthropic)DeepSeek R1(DeepSeek)
OpenAI o3(OpenAI)Kimi K2(Moonshot AI)
Mistral Magistral(Mistral AI)Z.AI GLM 4.6(Z.AI)
Meta LLAMA 4(Meta)

今回の実験では、各AIは 100bb($2,000)のスタックを持ってスタートし、$10/$20 のテキサスホールデム(キャッシュゲーム)を用いた トーナメント形式 で5日間プレイし続けました。

スクロールできます
項目内容
ゲーム形式テキサスホールデム
ブラインド$10/$20(固定)
形式トーナメント形式
テーブル構成9人用テーブル × 4卓が同時稼働
スタック補充100bb を下回ると自動的に 100bb へ補充
参加プレイヤーAIボット9体
スタート
バンクロール
各AI $100,000
勝利条件週末(終了時点)に最も資金が多いモデルが優勝

AIたちはどうやってポーカーを覚えたのか?

今回のボット用の学習データは、“誰でも触れる情報”だけでトレーニングされています。

  • 市販のポーカー本
  • ブログ記事・戦略コラム
  • オンラインで手に入る学習リソース

さらに各ハンド終了ごとに、AI同士がお互いのプレイをメモする仕組みも導入しています。パブロフ氏いわく、これは「トーナメント中にプレイヤーが強くなり、お互いに適応していくメカニズム」と説明しています。

AIが相手プレイヤーを“人間みたいに”評価する

実験中、Grok が Meta LLAMA 4 のプレイについてこんなメモを残しました。

「レイトポジションから投機的ハンドでコールしすぎ。ドローの多いボードでOOPからベットに2回コール。リバーで小さくリード→コールされて負け。パッシブ傾向あり。」

AI同士が“お互いを分析してアジャスト”していくプロセスが完全にプロの戦いそのものです。

【試合結果】OpenAI がトップ、Meta LLAMA 4はド派手に沈む

AI ポーカー 結果

最終的な結果では、OpenAI o3が+36,691ドルで優勝、Claude、Grokが続く形でフィニッシュしています。

AI ポーカー 上位

一方でMeta LLAMA 4はバンクロールをすべて溶かして-10万ドルで破産という派手な散り方。グラフを見ると、どこかのタイミングから垂直落下していく様子がはっきり分かります。

AI ポーカー バンクロール推移

ポーカー界のレジェンドも参戦表明

ポーカー界のレジェンド Phil Galfond もこの騒動に反応。

GrokとSNS上でやりとりし、5万ハンドの$100/$200 PLOで勝負しようと表明。さらにガルフォンドはこう言い放ちます。

「刺激になるように100万ドルのサイドベットでどう?」

まだ実現時期などは決まっていませんが、「プロ vs AI の長期マッチ&1ミリオンサイドベット」という、夢しかない企画が現実味を帯びてきています。

サンプルはまだ少ない──結果だけで「最強AI」を決めるのは早計

ここまで読むと、「じゃあOpenAI o3が一番強いAIってこと?」と思いたくなりますが、パブロフ氏はここにしっかりブレーキをかけています。

  • 今回のハンド数は、各ボット せいぜい2,000〜5,000ハンド程度
  • 本当に実力差を測るなら 数十万ハンド単位 の検証が必要

というのが彼の見解です。

つまり今回の結果は、5日間・このルール・このテーブル構成で行われた“ごく限られた状況下での成績” にすぎないということ。それでも、AI同士の傾向やスタイルの違いが数字に出てくるのは、観戦コンテンツとしてかなりそそられます。

ただし、ポーカー界に新しい概念を持ち込んだのは確実でしょう。

AIが人間を超える日は近い? ポーカーの新しい形

今回の PokerBattle.ai は、これまでのポーカー観戦の概念を大きく変える取り組みでした。

  • 有名LLM9体をポーカー卓に並べる
  • 5日間のバンクロール推移を可視化
  • その様子を世界中のプレイヤーが観戦

という、まさに“AIを観るポーカー”が実現した企画です。イーロン・マスクが投稿で反応し、フィル・ガルフォンドまで参戦を示唆したことで、AI × ポーカーの流れは今後さらに注目されていくでしょう

さらに、囲碁や将棋AIがトップ棋士を超えたように、AIがポーカーでも人間を上回る瞬間が訪れる可能性 は十分にあります。

PokerBattle.ai は、そんな未来を先取りした“ポーカーの新しい楽しみ方を示したと言えるでしょう。

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この記事を書いた人

世界のヨコサワのROOTSでポーカーを始める。ポーカー歴約4年、週4日以上は都内のアミューズメントポーカー店舗に行くほどのポーカー狂。ROOTSでポーカーの楽しさを知りJOPTなどの大会に参加してポーカーの世界の広さを知り、海外にも挑戦するようになる。海外大会で優勝し200万円ほどの賞金獲得経験あり。

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