ポーカーをしていると「ドンクベット」という言葉を耳にする事があると思います。「どんなアクションなの?」「なぜダメと言われるの?」と疑問のままにしている人も多いはずです。
この記事では、初心者から上級者まで誰もがかかえるドンクベットに関する疑問を解消します。ドンクベットを理解して、プレイヤーとしてのスキルをひとつ上のレベルへアップさせましょう!
この記事で分かること
ドンクベットとは?どんなアクションを指すのかを解説

ドンクベットとはどんなアクションのことを指すのでしょうか。まずはドンクベットが発生するシチュエーションなどを確認していきましょう。
ドンクベットとは
ドンクベットとは、アグレッサー(最後にレイズした人)に対して、アクションを待たずに先にアクションをすることを指します。プリフロップにおいては、ドンクベットは発生しません。
フロップ以降のドンクベットのシチュエーションを図解で説明します。
フロップでのドンクベットシチュエーション

上の絵の場合、Player2(HJ)がオープンレイズして、Player3(CO)とPlayer1(BB)がコールをして参加していると考えられます。
フロップでのアグレッサーは、プリフロップで最後にレイズをした人になります。つまりフロップ時点でのアグレッサーはPlayer2(CO)となります。
ドンクベットのシチュエーションは…
- アグレッサーより先にアクションする人がベットすること
- 上の絵の場合、Player1(BB)が先にベットすること
Player1(BB)とPlayer2(HJ)がチェックして、Player3(CO)に順番が回ってきてベットすることはドンクベットとはいいません。
プリフロップの時点で「強いよ!」と主張している人に対して、フロップで先にアクションしてしまうことをドンクベットというのです。
ターン・リバーでのドンクベットシチュエーション

アグレッサーは、フロップ・ターン・リバーと変化していきます。例えばどんな時にアグレッサーが変わるのでしょうか。参考例をみていきましょう。
このようにアクション次第で現在のアグレッサーはどんどん変化していきます。プレイする中で、アグレッサーは誰なのかすぐに判断できるように練習しましょう。
ドンクベットのシチュエーションは…
- アグレッサーより先にアクションする人がベットすること
- 上の絵の場合、Player1(BB)やPlayer2(HJ)が先にベットすること
全員がチェックで回った場合、アグレッサーはなしとなります。そのため誰がベットをしてもドンクベットといわれることはありません。
ドンクベットとは、現時点のアグレッサーに対してアクション順が早い人がベットをすることであると改めて確認することができましたか。プレイするうえで今誰がアグレッサーなのかは常に把握しておくことが重要ですね。
ドンクベットはマナー違反!ドンクベットはダメ!という話は本当なの?

ドンクベットに関しては、さまざまな憶測やイメージが先行しており、マイナスな要素としてとらえられている事が多いようです。
ドンクベットは英語の「donkey」が語源であるといわれています。これは直訳すると「ロバ」という意味ですが、スラングとして「まぬけ」「バカ」といった意味で使われます。
しかし実際はそんなことはありません。
- ドンクベットはマナー違反なの?
-
マナー違反ではありません。ルールやマナーの範囲内なので、ドンクベットを使いたいときは気にせずに使って大丈夫ですよ
- ドンクベットはダメ?
-
ドンクベットは安易に使うと初心者だと思われがちです。でも使って大丈夫!実際にプロのプレイヤーが利用するシーンもよくあります。
ではなぜダメと言われる事があるのでしょうか?続いてドンクベットがダメと言われる理由について詳しく解説します。
ドンクベットが“ダメ”と言われる理由とは?
ドンクベットはマナーやルール的には問題ないという事がわかりました。ではなぜダメと言われてしまうのか、その理由をまとめてました。
ドンクベットがダメと言われる4つの理由
①手札がわかりやすくなってしまう
アグレッサーはもともと強い手をもっていると主張しているのに対し、先にアクションをすることで「このコミュニティカードに対してはこちらが強いんです」と先に宣言する事になります。


弱いハンドには降りられてしまい、強いハンドにはコールされてしまうことが多く、自分の手札が相手に分かりやすい状況になりがちです。
ポーカーはポーカーフェイスという言葉がある通り「自分の手札を隠す」ことが強さの秘訣です。相手に手札がすけてしまっては勝つことは難しくなるでしょう。
②相手のブラフを引き出せない
プリフロップで手札が強いと主張している相手は、フロップ・ターンとCB(コンティニュエーションベット)を打つ事が多いです。
そのため相手のブラフを誘う為にも、CBを打ってもらうためにも、チェックする方がお得だといえます。
CB(コンティニュエーションベット)とは?
プリフロップでレイズしたプレイヤーが、続けてフロップでもレイズすることをいいます。フロップで自分の手札とボードがヒットする可能性は30%程度です。
もともとの手札が強ければ、相手が30%をひかない限り、引き続き自分の手が相手よりよい手である可能性が高いです。そのため、CBを打つことで残りの2枚を見ないうちに降ろすことができたり、コールやレイズされた場合にどのようなハンドをもっているのか推測することができます。
③獲得するチップを最大化できない
強い手が出来た時には、ポットサイズを大きくして獲得できるチップの最大化を目指す必要があります。
ドンクベットをしてしまうと相手はこれ以上大きなポットにしないように動くことでしょう。すぐに降りられてしまうかもしれません。
相手は、CBを打つことでポットにかけた金額が大きくなり「このポットを落としたくない」という気持ちが強くなります。そのような心理状況を作りチップの最大化を目指すためにもドンクベットをするより、アグレッサーに先にベットしてもらう方がよいでしょう。
④ドンクベット以降のアクションが難しくなる
ドンクベットをすることで考える選択肢が増えてしまいます。考える事が増えるほど、ミスプレイをしてしまう可能性は高まるでしょう。
ドンクベットした後に考えなければならないこと
- ドンクベットにレイズされたらどうするか?
- ドンクベットにコールされたらターン以降どうするか?
- ドンクベットがブラフの場合、いつまで強さを主張するか?
- ドンクベットがセミブラフの場合、役ができなかったらどうするか?
以上の理由から、ドンクベットは比較的悪手であると考えられていますし、それは間違いではありません。
ですが、そう思われているからこそ、取れる戦略もあります。続いて、「ドンクベットが有効的に利用できる場合」を解説していきます。
ドンクベットが有効になる状況とは?その判断基準をわかりやすく解説
ドンクベットは一般的にあまりよいプレイとはされていないことがわかりました。では、どのような時に有効活用できるのでしょうか?これを知ればあなたのプレイもワンランクアップします!
ドンクベットが有効になる4つの状況
①相手のコールやレイズを誘いたい時
自分がとても強い役が完成してもなお、相手にもそれなりに強い手があると考えられるときには、コールやレイズを誘う為に”あえて”ドンクベットを使う事があります。

相手にAやKがあると考えられ、AやKを含む強い役が自分に完成したときなどにドンクベットをすることで、コールだけでなくレイズしてもらえる可能性もあります。
ポットが大きくなりやすく、ターン以降も自分でベットサイズを決めていけるため獲得チップを最大化することができます。
②相手に強いドローがあると想定されるとき
自分のハンドが現時点で勝っていると考えられ、相手にドローが多そうなときにも有効です。大きく打ってもコールしてもらえる可能性が高く、バリューがあると考えられます。

上記の参考例のように、高いベットをしても相手がおりない可能性が高いボードで、自分自身に強い役ができているときには積極的にベットしていくとよいでしょう。
ただしこの場合には相手のCBに対して、チェックレイズをするという作戦も有効です。どちらのほうがそのあとの流れをうまくコントロールしていけるか考えてベットするようにしましょう。
③自分に強いドローがあり、安く次のカードを見たい時
ドンクベットはあまりみないプレイの為、相手は手がつよくてもレイズで返さない場合があります。安く次のカードを見るためにドンクベットを使うのも一つの手段です。

チェックするとベットされるし、相手にリードを許した状態でターンのベットを迎えなければいけない。このようなシーンで小さいサイズのドンクベットを利用すると効果的な事があります。
しかし予想に反して、レイズやオールインが返ってきて諦めなくてはならない可能性もあるので、相手のプレイスタイルをよく見て挑戦してみましょう。
④リバーでのバリューベットとして利用する時
ターンやリバーで強い役が完成したが、チェックしても相手がこれ以上ベットしてくれなそうな時には、リバーでドンクベットを利用します。

相手にはショーダウンバリューがあるハンドを持っている可能性が高く、多くのハンドでコールしてもらえるでしょう。
上級者であれば「ドンクベットになるから使わない」と一般的な考えだけでプレイしません。その状況に応じて必要と判断すれば、ドンクベットでも利用します。
しかし状況に応じてプレイするためには多くの経験値が必要です。ドンクベットは諸刃の剣であり、もしミスプレイをした場合には多くの損失を生む場合もあるのです。
ドンクベットされた時の最適な対処法とは?
ドンクベットをどんな時にすればいいのかわかりましたね。次は自分がドンクベットをうたれたとき、どのように対応するべきかをまとめました。
①フォールドする場合
プリフロップ時点では強かったけれど、フロップを開いた時点で発展しなさそうなハンドであれば、シンプルにフォールドしてしまうのがいいでしょう。
CBをうつこともなく、最低限の損失でハンドを終えれたことを喜びましょう。
②コールする場合
ドローがある場合や、すでに3カードなどの強い役が出来ている場合は、コールしましょう。
コールした場合、アグレッサーは相手にうつり引き続きターン以降も打ってくれる可能性が高いです。
③レイズする場合
既に強い場合や、オープンエンドストフラドローなどの強いドローの場合、オールインにもっていくためにレイズしましょう。
また、アグレッサーにとって有利なボードであれば、ブラフをしかけるためにレイズするのもよいでしょう。
ドンクベットは結局“アリ”なのか“ナシ”なのか?

結論から言うと、ドンクベットは初心者のうちは基本的に”なし”です。経験値を増やし、ドンクベットをすべきタイミングが見えてきたらその時には、ぜひチャレンジしてほしいプレイでもあります。
もちろんマナー違反ではありませんので、アミューズメントのポーカースポットでドンクベットを練習してみるのもいいでしょう。
ドンクベットをうまく利用して相手のオールインを誘うことができれば完璧!ドンクベットがうまく使えるようになったら、大型大会でもぜひ実践してみて下さい。

ドンクベットのよくある質問
- ドンクベットとは何ですか?
-
ドンクベットとはアグレッサーよりアクション順が早いプレイヤーが先にベットすることです。詳しくはこちらで確認できます。
- ドンクベットはマナー違反ですか?
-
マナー違反ではありません。
- ドンクベットはダメですか?
-
ダメではありません。初心者が安易に使のはおすすめできません。
- どこでドンクベットの練習ができますか?
-
ドンクベットは、さまざまな場所にあるアミューズメントポーカースポットで練習できます。練習できるアミューズメントスポットはこちらで確認できます。
あわせて読みたい
ポーカー初心者におすすめの都内アミューズスポット3選 ポーカーは、世界中で1億人以上がプレイしており、野球と肩を並べるほどの人気を誇っています。世界最大のポーカー大会 WSOPにはメインイベントだけで1万人以上が参加し…


コメント