APT20周年シーズンの主要開催地の一つ、台北で開催された今大会は、約170イベント・総保証約9.7億円超という大規模なシリーズの一つとして注目を集めています。
日本人プレイヤーは今大会でも複数のトーナメントで優勝を果たし、サイドイベント24勝・メインイベントFT2名進出という結果を残しました。
本記事では、APT Taipei 2026で入賞・優勝を果たした日本人プレイヤーの結果を振り返ります。
APT Taipei 2026の大会概要や日程の詳細はこちら▽

APT 台北 メインイベント結果 –
日本人プレイヤーの健闘

APT Taipei 2026のメインイベントは、2,354エントリーを集める大規模な大会となり、賞金総額は約5.4億円規模に達しました。
当初の保証賞金は約3億5,000万円でしたが、それを約60%上回るエントリーが集まったことで、最終的な賞金プールは大幅に増加し、アジア圏で開催される大規模ポーカートーナメントの一つとして規模の大きさが示される結果となりました。
チュン・シン・「ウォルター」・ラウさん –
2,354エントリーの頂点へ

チュン・シン・「ウォルター」・ラウ(Chun Shing ‘Walter’ Lau)さんはファイナルテーブル(FT)開始時点で全体の1 / 3以上となる約3,300万点を保有するチップリーダーでした。
Day 4開始時点では38万点程度のミドルスタックでした が、そこから多くの相手をノックアウトし、決勝進出時には独走状態を作り上げていました。
ファイナルテーブルの様子
FT開始後はチップを減らす場面も見られたものの、8位のTony Ren Linさん、5位のKazuma Ishiharaさん、4位のKristof Segersさん、3位のChing En Chenさんを次々と破ります。
注目を集めたハンドの一つが、
世界ランク1位(GPI #1)のトニー・レン・リン(Tony Ren Lin)さんとの対決です。

FTでショートスタックとなっていたリンさんがフロップでリンさん(Q-J)がトップペアを作るも、ラウさん(K-Q)はより大きいオーバーペアを作ります。
ターンでLinさんにフラッシュドローが来るも、リバーで決まらず脱落。
ラウさんが世界ランク1位プレイヤーを撃破する結果となりました。

ヘッズアップはラウさんが約4対1のチップリードで開始します。
最終ハンドではジョシュア・マッカリー(Joshua McCully)さんのK-JにラウさんのA-10が勝利し、ラウさんがAPTゴールドライオントロフィーと賞金約8,210万円を手にしました。
感動的な優勝者スピーチ

試合後のインタビューでラウさんは、広東語で次のような言葉を語りました。
「入賞したことは多くなく、何度も諦めようと思いました。
しかし、これだけ大きなフィールドで結果が出ないのは当たり前のこと。
一つの結果に固執せず、自分の成長に目を向けることが大切です。」
「優勝したからといって『成功した』わけではありません。
レクリエーション・プレイヤーとしてのマインドセットを保ち続けたいです。」
アマチュアプレイヤーが、何度もの挫折を乗り越えて世界の頂点に立った瞬間でした。
APT Championship 2026 メインイベントチケットを獲得したラウさんは、
「当初参戦する予定はなかったものの、今回チケットを手に入れたので、挑戦してみようと思います。」と、次なる舞台への意欲も語っています。
APT Championshipとは?
APT全シリーズの年間最終戦として位置づけられる最高峰のトーナメントです。
世界各地のAPT開催地でシートを獲得したトッププレイヤーたちが集結し、賞金総額約8億円(500万ドル)保証のメインイベントが開催されます。
APT Taipei 2026では上位6名にシートが付与されています。
日本勢はKazuma Ishiharaさん5位、
Miki Shiraishiさん6位に入賞

2,354エントリーの大規模フィールドとなった今大会で、日本勢2名がファイナルテーブル上位に進出しました。
- Kazuma Ishiharaさん:
5位入賞、約2,015万円獲得 - Miki Shiraishiさん:
6位入賞、約1,627万円獲得
Kazuma Ishiharaさんは、ポーカー実績データベース「Hendon Mob」にはそれまで海外大会での入賞記録がなく、今回のAPT Taipei 2026メインイベント5位入賞が、国際大会におけるキャッシュ記録として初の大きな実績となりました。
また、Keisuke Tajiriさんも14位で約429万円を獲得しています。
サイドイベントを制した
日本人プレイヤー

APT Taipei 2026では、期間中に数多くのサイドイベントが開催されました。
各トーナメントで国内外のプレイヤーが競い合うなか、優勝を果たした日本人プレイヤーを紹介します。
Eisuke Katsurenさん|
優勝賞金約2,650万円

Katsurenさんは「Zodiac Classic – Sponsored by Natural8」に出場し、486エントリーの大規模フィールドを制しました。
「Zodiac Classic」は、Natural8(NSUS Group傘下のオンラインポーカー)が公式スポンサーを務めている、APT Taipeiの中で最も注目度の高いサイドイベントの一つです。
優勝賞金は約2,650万円で、今大会で日本人プレイヤーが獲得した賞金額の中で最大規模です。
当初は2日間の開催予定でしたが、想定を上回るエントリーがあったため3日間に延長されました。
最終3名でICMディール(チップ量に応じた賞金の分配交渉)に合意し、ランノ・ソートラ(Ranno Sootla)さん・レオ・パン(Leo Pang)さん含む上位3名がいずれも約2,000万円以上の賞金を確保しつつ、最終的にKatsurenさんが優勝を果たしました。
メインイベント優勝者のラウさん同様、APT Championship 2026 メインイベントチケットを獲得しています。
Tetsuya Tsujisakaさん |
優勝賞金約2,330万円

Tsujisakaさんは「High Roller – Ultra Stack」に出場し、399エントリーの頂点に立ちました。
この「Ultra Stack」形式は、通常よりも多いスタートスタックで開始するハイローラー向けフォーマットであり、APTの中でも特にスケールの大きい大会形式の一つです。
「High Roller – Ultra Stack」史上最大エントリー数を記録し、優勝賞金は約2,400万円に達しました。
さらにTsujisakaさんは、副賞としてAPT Championship 2026メインイベントの出場権も獲得しています。
Itsuko Yoroiさん |
2冠達成・優勝賞金合計約53万円

ミックスゲーム・ホームゲーム部門で存在感を発揮したのが、Itsuko Yoroiさんです。
- 「Hyper Turbo Home Games –
Atomic Pineapple」
優勝賞金約30万円 - 「PL Omaha Hi-Lo – 5 Card (Big O) –
Oceans」
優勝賞金約21万円
「Atomic Pineapple」とは、5枚のホールカードを配り、プリフロップ・フロップ・ターンで1枚ずつ捨てる特殊形式で、通常のテキサスホールデムとは大きく異なる戦略性が問われます。
「Big O」はホールカード5枚のオマハハイローで、通常のオマハ(ホールカード4枚)よりさらにハンドの可能性が広がる形式です。
このような変則ゲームを2つ続けて制覇するには、通常のNLHのみのスキルでは不可能で、Yoroiさんが幅広いゲーム知識を持つ希少な日本人プレイヤーであることが証明されたと言って良いでしょう。
Takaaki Miyauchiさん |
優勝賞金約465万円

「NL Hold’em – Freezeout @RED」にて、389エントリーの激戦を制し、賞金約465万円を獲得しました。
APTをはじめとするトーナメントの一般的な評価として、フリーズアウト形式は一度敗退すると復帰できないルールのため、慎重な判断と長期的な戦略がより強く問われ、実力がより結果に反映されやすい形式とされています。
3位にはMasayoshi Katoさんが、5位にはKaito Nishiyaさんが入賞し、この厳しい形式で日本人プレイヤーが上位に複数名入賞する結果となりました。
Atsushi Miyakoshiさん |
優勝賞金約290万円

「NL – Hold’em」にて、320エントリーの激戦を制し、賞金約290万円を獲得しました。
先ほど紹介したフリーズアウトと同様、3位にはMitsuhiro Tokumotoさんが入賞しており、
一つのトーナメントで日本人が複数名上位入賞しており、海外大会における日本人プレイヤーの存在感がうかがえる結果といえます。
女性プレイヤーの躍進



今大会は「APT初のヘッズアップ女性イベント」も開催されるなど、女性プレイヤーへの注目度が大きく高まったシリーズでした。
今大会で活躍した女性プレイヤーは、Itsuko Yoroiさんだけではありません。
Women’s Eventで優勝した女性プレイヤー
- Yuzuki Kasugaさん
「#5 Women’s Event」で賞金約25万円 - Chie Shimizuさん
「#17 Women’s Event」で賞金約32万円 - Mone Hayashiさん
「#17 Women’s Event」(#59)が
賞金約70万円
Women’s High RollerではChiaki Hondaさんが5位に入賞するなど、女性部門全体で日本人プレイヤーが活躍しました。
ミックスゲームでの活躍



NLHだけではなくミックスゲームでも、日本人の強さが光りました。
MIXゲームで優勝したプレイヤー
- Yuichi Kanaiさん
「Fixed Limit – 9-Game Dugi」で
賞金約66万円 - Kakeru Hayashiさん
「Fixed Limit – R-O-S-E-T」で
賞金約32万円 - Yuji Watanabeさん
「Turbo – NL – Dealer’s Choice –
Triple Draw」で賞金約49万円
特に「Fixed Limit – 9-Game Dugi」は、「9-Game Mix + Badugi」を意味する超高難度のミックスゲーム形式です。
WSOP Poker Players Championshipでも採用されている9種類のゲームをローテーションでプレイする形式に、さらにBadugi(バドゥギ:4枚カードでスートと数字すべてバラバラの低い手を作る)を加えたものとされます。
9〜10種類のゲームすべてに精通している必要がある「マスターズ向け」の形式で優勝したKanaiさんは、幅広いミックスゲームに精通したプレイヤーであることが示される結果といえます。
その他日本人優勝者一覧

他にも、多数の日本人プレイヤーがサイドイベントで入賞・優勝を果たしています。
| プレイヤー名 | イベント名 | 獲得金額 |
|---|---|---|
| Takahiro Sui | Turbo – High Roller | 約205万円 |
| Yuki Ozaki | Hyper Turbo – High Roller | 約110万円 |
| Hiroki Sawano | Wednesday WonderStack | 約50万円 |
| Takuto Nakagawa | Fixed Limit – Hold’em Deepstack | 約16万円 |
| Daisuke Nagano | Super Hyper Turbo NLH | 約42万円 |
| Hajime Murase | Hyper Turbo – High Roller | 約130万円 |
| Soma Ishikawa | Turbo – NLH | 約200万円 |
| Takuma Endo | NL – Hold’em – Heads Up | 約120万円 |
| Tomonori Inaba | NL Hold’em – Double Board – Deepstack | 約51万円 |
| Takuto Komiya | Hyper Turbo Home Games – NL – Hold’em – Cry Me A River | 約20万円 |
| Shinya Ueda | Hyper Turbo Home Games – Natural Eight’s | 約38万円 |
| Mukaida Kenta | Hyper Turbo – PL Courchevel Hi-Lo – 5 Card | 約62万円 |
今大会のサイドイベントでは、24トーナメントで日本人プレイヤーが優勝を果たしました。
NLHからハイローラー、ウィメンズ、ミックスゲームまで、あらゆるカテゴリーで日本人プレイヤーが優勝したシリーズとなりました。
数字が語る、APT Taipei 2026の熱狂

APT20周年シーズンの節目に開催されたAPT Taipei 2026の熱狂は、数字にも表れています。
メインイベント・開幕戦ともに、
過去の記録を上回る
APT公式記事「Top of the Stops」によると、APT Taipei 2026はAPTシリーズで7年連続のフェス新記録を樹立しました。
Main Eventは2,354エントリー・賞金総額約5.4億円で当初の保証額を約60%上回り、開幕戦のNational Cupも2,940エントリーでツアー史上最大規模を記録しています。
さらに、Mystery Bountyは1,540エントリーでAPT史上最大人数になるなど、APT Taipei 2026では複数のイベントで過去最大規模を更新しています。
APT Taipei 2026は、APT20周年シーズンの中でも特に大きな大会となりました。
あらゆるカテゴリーで24冠を
記録した日本人プレイヤー

そしてその舞台で、日本人プレイヤーはサイドイベント合計24勝・Main Eventファイナルテーブル2名進出という結果を残しました。
あらゆるイベントで結果を残した今大会の日本人プレイヤーの活躍は、世界の舞台における日本のポーカーシーンの存在感を示す結果と言えるでしょう。
次のAPTシリーズでも、日本勢の活躍に注目が集まりそうです。


コメント